待ちに待った夏休みが始まり、家族で大型レジャー施設のプールへ行く計画を立てていた前日の夜、三歳になる息子が突然「お口が痛い」と泣き出し、みるみるうちに手のひらに赤いポツポツが現れました。翌朝、小児科を受診すると診断はやはり手足口病で、楽しみにしていたプール計画は一瞬にして白紙となりました。医師からは「熱が下がって本人が元気ならプールも不可能ではないけれど、他の子への配慮と本人の体力を考えたら、今は休ませるべき時期ですよ」と優しく諭されました。ネットで検索すると、熱が下がればプールに入っても大丈夫という意見も散見されましたが、実際に息子の様子を見ていると、口内炎が痛くて大好きなプリンさえ食べられず、手のひらの水疱を気にしておもちゃを握るのも辛そうな状態で、とてもプールで遊べるようなコンディションではありませんでした。結局、旅行はキャンセルし、一週間は家で静かに過ごすことになりました。一番辛かったのは、熱が二日で下がった後に訪れた不機嫌期でした。体力が余っているはずなのに、口の痛みで満足に食べられないストレスからか、一日中泣き喚く息子を抱きしめながら、もし無理にプールへ連れて行っていたら、さらに症状を悪化させていたかもしれないと恐ろしくなりました。発症から五日目、ようやく手のひらの水疱が枯れて茶色っぽくなり、食事も以前のように食べられるようになった頃、医師に再診をお願いしました。先生は「もう水疱からウイルスが出る段階は過ぎたけれど、便にはまだウイルスがいるから、オムツ替えの後はしっかり手を洗ってね。プールは明日からなら大丈夫だよ」と太鼓判を押してくれました。その翌日、家のベランダに小さなビニールプールを出して遊ばせると、息子はこれまでの鬱憤を晴らすかのように大はしゃぎしていました。この経験を通して学んだのは、手足口病でプールに入っても大丈夫かどうかを判断するのは、カレンダーの日数ではなく、子供の「食べる力」と「皮膚の乾き具合」なのだということです。また、周囲の子供たちにうつしてしまうかもしれないという不安を抱えながらレジャーを楽しむことは不可能です。一時はキャンセル料を惜しむ気持ちもありましたが、完全に治りきってから心置きなく遊ばせることの大切さを痛感しました。手足口病は夏の思い出を台無しにする厄介な病気ですが、しっかりと休養を取らせることで、子供の身体はまた一つ強くなるのだと信じることが、看病する親の心の支えになります。