突発性湿疹は一般的に予後良好な疾患ですが、その急激な体温上昇に伴い、乳幼児の約一割が「熱性けいれん」を経験すると言われています。我が家の場合も、一歳になったばかりの娘がこの熱性けいれんを引き起こし、それは私の人生で最も恐ろしい数分間となりました。夜中、スースーと苦しそうな寝息を立てていた娘が、突然全身を硬直させ、白目を剥いてガクガクと震え始めたのです。呼びかけても反応はなく、顔色はみるみるうちに青紫色に変わり、私はパニックで頭が真っ白になりました。この時、以前に受講した救命講習の内容が、霧の中から浮かび上がるように思い出されました。「落ち着いて、時間を測る」「体を横向きにする」「口の中に指を入れない」。震える手でスマートフォンのストップウォッチを開始し、娘を硬い床に寝かせて顔を横に向けました。けいれんは三分ほど続き、娘が深い眠りに落ちたような状態になったところで救急車を呼びました。病院に到着し、様々な検査を受けた結果、やはり突発性湿疹による熱性けいれんでした。医師からは、多くの熱性けいれんは数分で収まり、脳に後遺症を残すことはないけれど、初めての場合は必ず医療機関を受診すべきだと指導を受けました。また、けいれんが五分以上続く場合や、左右非対称な動きがある場合は、髄膜炎や脳炎の可能性もあるため、非常に注意が必要だということも学びました。翌日、娘の全身に突発性湿疹特有のピンク色の斑点が出たのを見て、私はようやく今回の騒動の原因が特定されたことに安堵しました。しかし、あのけいれんの光景は、親としての私の心に深く刻まれました。突発性湿疹は「ただの発疹が出る病気」ではなく、時にこのようなショッキングな出来事を伴うこともあるのだという心構えが必要です。緊急時に備えて、夜間救急の連絡先を冷蔵庫に貼り、けいれん時の対応を夫婦で共有しておくことの大切さを痛感しました。また、パニックにならずにスマホで動画を撮っておくと、診察時の医師への情報共有が非常にスムーズになります。娘はその後、後遺症もなく元気に育っていますが、あの経験は私に、生命の脆さと、それを守るための知識の重要性を教えてくれました。突発性湿疹というありふれた病気の中にも、親が知っておくべきリスクは潜んでいます。過度に恐れる必要はありませんが、正しい知識という盾を持つことが、赤ちゃんの健やかな成長を守るための唯一の道であると確信しています。