リウマチ治療にかかる費用は、時間の経過とともに山と谷を描くような特徴的な推移を辿ります。この推移モデルをあらかじめ知っておくことは、見通しの立たない不安を解消するために非常に有効です。まず、第一段階である「診断・導入期」は、最も費用が集中する時期です。初診から診断が確定するまでの一、二ヶ月間は、血液検査を頻繁に行い、全身の骨の状態を確認するためにレントゲンや超音波、場合によっては造影MRIなどの高額な検査が重なります。さらに、治療薬の副作用を事前に予測するための感染症スクリーニング(肝炎、結核の検査など)も必要です。この時期の三割負担額は、月あたり二万円から四万円程度に達することもあります。しかし、診断がつき、治療の方向性が決まると、第二段階の「調整・改善期」に入ります。ここでは薬剤の量を微調整しながら、最も効果が高く副作用の少ない組み合わせを探ります。生物学的製剤などの高額な薬を導入する場合、この時期が経済的なピークとなります。しかし、高額療養費制度などの活用が始まるのもこの時期であり、実際の支払額は自己負担限度額で頭打ちになります。そして、多くの患者さんが目指すべき第三段階が「安定・寛解期」です。治療が功を奏し、炎症の数値が正常化すると、通院の間隔が月一回から二、三ヶ月に一回へと延び、検査の頻度も減っていきます。最近では「バイオフリー」といって、状態が非常に良くなった場合に、慎重に減薬や休薬を試みることもあり、成功すれば治療費は劇的に減少します。この安定期に入ると、月平均の費用は従来の半分以下に抑えられるケースも少なくありません。リウマチ治療費の平均を考える際、多くの人が「今の高い状態が一生続く」と誤解してしまいますが、実際には初期の激しい投資によって関節を守り抜くことが、将来的な医療費の増大を防ぐ最も効率的なルートなのです。逆に、初期費用を惜しんで適切な治療を怠ると、関節が破壊されて歩行困難になり、将来的に手術代やリハビリ代、そして介護費用として莫大なコストを支払うことになります。いわば、リウマチ治療費の推移は「前払い型」の健康維持コストであると捉えることができます。長期的なスパンで自分の人生を俯瞰し、いつ、どのくらいの費用が必要になるのかを、主治医や病院の相談員とシミュレーションしておくことで、心理的な安定を保ちながら、根気よく治療を続けていくことが可能になります。
初期診断から安定期までの治療費推移モデル