長期間にわたるリウマチ治療において、身体の健康管理と同じくらい重要なのが「経済的な健康管理」です。リウマチは働き盛りの世代に発症することも多く、病気による体力の低下と高額な治療費のダブルパンチで、生活基盤を揺るがすリスクを孕んでいます。だからこそ、患者にはプロフェッショナルな視点での経済的リスク管理が求められます。まず、収入面の確保です。リウマチによる関節の痛みや倦怠感で、これまでの仕事を続けることが難しくなった場合、安易に離職を選択するのは危険です。まずは会社の産業医や人事担当者と相談し、時短勤務やリモートワーク、部署異動などの調整を試みることが先決です。現在、厚生労働省は「治療と仕事の両立支援」を推進しており、企業側にも配慮を求めるガイドラインが整備されています。また、もし障害が残ってしまった場合には、障害年金の申請も視野に入れるべきです。年金は老後だけでなく、現役世代の不測の事態を支えるための保険機能も持っています。次に、支出面の管理として、医療費以外にかかる隠れたコストを把握しておく必要があります。サポーターや特殊な靴、自助具、さらには外出時のタクシー代など、ちりも積もれば大きな負担になります。これらを考慮した上で、毎月の家計に「リウマチ枠」として一定の予備費を設けておくことが、心の余裕を生みます。さらに、生命保険や医療保険の契約内容も再確認しましょう。リウマチと診断される前に入っていた保険であれば、入院給付金だけでなく、高度障害や特定疾病の給付対象になる可能性があります。一方で、リウマチ診断後に新しく保険に入るのは難しくなりますが、引受基準緩和型(ぜんそく、持病のある人向け)の保険なども検討の余地があります。経済的リスク管理とは、決して「節約」だけではありません。「賢くもらう」「働き方を守る」「制度を使い切る」という三本の柱を立てることです。リウマチという病気は、あなたの人生の一部であって、すべてではありません。経済的な足場を固めることで、病気に人生を支配されることなく、趣味や家族との時間を大切に過ごし続けることができるのです。平均的な治療費というデータに惑わされることなく、自分の「個別の経済設計図」を描き、それを着実に実行していく力こそが、リウマチという長い旅を完走するための最強のエンジンとなります。