朝の通勤途中や帰宅時に事故に遭った場合も、業務災害と同様に労災保険の対象となります。これを通勤災害と呼びますが、受診すべき先はやはり労災指定病院です。通勤中の事故は予期せぬ場所で起こることが多いため、最寄りの病院が指定を受けているかどうかを即座に見分ける必要があります。最も簡単な方法は、病院の入り口や受付付近に「労災保険指定医療機関」という標識が掲示されているか確認することです。また、電話で問い合わせる際にも「通勤災害ですが、労災指定を受けていますか」と一言添えるだけで、受付担当者がスムーズに案内してくれます。通勤災害の場合、提出する書類が業務災害用の「様式第五号」ではなく「様式第十六号の三」になるという点には注意が必要ですが、指定病院であればこうした書式の違いについても詳しく教えてもらえることが多いため安心です。もし指定病院ではないクリニックに担ぎ込まれた場合でも、その後の通院を指定病院に切り替えることは可能です。転院の手続きも比較的容易ですので、初期消火的な治療が終わった段階で、窓口負担のない指定病院へ移ることを検討するのが得策です。通勤災害は交通事故であることも多く、加害者との示談や自賠責保険との兼ね合いも発生しますが、まずは労災保険を優先して利用することが、被害者である労働者の保護に繋がります。労災指定病院は、こうした複雑な保険制度の取り扱いにも精通しているため、医学的な治療だけでなく、事務的な面でも頼りになる存在です。普段から自分が利用する駅の周辺や通勤経路にある指定病院を意識しておくことは、不慮の事態に対する有効な備えとなります。