最初は少し喉がイガイガする程度の軽い風邪だと思っていました。市販の風邪薬を飲んでしのいでいましたが、三日目から夜も眠れないほどの激しい咳が出るようになり、体温も三十九度まで跳ね上がりました。近所の内科を受診し、レントゲン検査と血液検査を受けた結果、告げられた病名はマイコプラズマ肺炎でした。医師からは「大人の場合、無理をしてこじらせる人が多いから、しっかり休んでください」と強く言われました。私はすぐに職場の上司に連絡を入れましたが、最も困ったのは出勤停止の期間でした。インフルエンザのように「発症から五日、解熱から二日」といった明確な決まりが私の会社にはなかったため、どのくらい休むべきか判断がつきませんでした。結局、医師の勧めに従い、まずは一週間の完全な自宅療養を選択しました。薬を飲み始めて三日ほどで熱は下がりましたが、問題はそこからでした。熱がないのに、ふとした瞬間に止まらない咳が込み上げ、呼吸が苦しくなるのです。この状態でオフィスに行っても、周りに迷惑をかけるだけでなく、電話対応も満足にできないことは明らかでした。結局、私は一週間の欠勤の後、さらに三日間は在宅勤務という形で復帰を段階的に進めました。会社側も、感染症であることを伝えると「無理をしてウイルスをばらまかれても困るから」と理解を示してくれました。大人のマイコプラズマ肺炎は、体力が戻るまでに想像以上の時間を要します。私は結局、完治したと実感できるまでに三週間かかりました。もしあの時、熱が下がった直後に無理をして出勤していたら、今頃もっと深刻な状態になっていたかもしれません。職場への申し訳なさはありましたが、感染症である以上、中途半端な復帰はプロ失格だと自分に言い聞かせました。今回の経験で学んだのは、大人の感染症における出勤停止は、自分のためだけでなく職場の同僚を守るための義務であるということです。そして、マイコプラズマという細菌のしぶとさを侮ってはいけないという教訓を得ました。