それは日曜日の夕暮れ時、家族で穏やかに過ごしていた時に始まりました。生後八ヶ月になる息子の体が、抱っこした瞬間に異常に熱いことに気づいたのです。体温計を脇に差し込むと、表示されたのは三十九度六分。初めて見る高熱に、私は心臓が止まるかと思うほどの衝撃を受けました。咳も鼻水もなく、ただ体が燃えるように熱い。慌てて夜間救急に電話をしましたが、意識もしっかりしていて水分が摂れているなら翌朝の受診で大丈夫と言われ、不安な一夜を過ごしました。保冷剤で冷やしても熱は一向に下がらず、息子は苦しそうにうなり声を上げ、私は一分おきに息をしているか確認せずにはいられませんでした。翌朝、かかりつけの小児科で「おそらく突発性湿疹、いわゆる突発性発疹でしょう」と告げられました。先生は、熱が下がってから発疹が出るまでは確定できないけれど、この月齢で他に症状がない高熱はまずこれだと説明してくれました。そこからさらに二日間、熱は四十度を行ったり来たりし、私は看病でボロボロになりながらも、いつか必ず熱は下がると自分に言い聞かせ続けました。四日目の朝、嘘のように体温が三十六度台に戻り、安堵したのも束の間、息子の胸や背中にうっすらと赤い斑点が現れました。これがあの突発性湿疹なのだと確信した瞬間、本当の戦いが始まりました。熱がある間はまだ寝てくれていた息子が、解熱と同時に、この世の終わりかと思うほど泣き叫び始めたのです。抱っこしても、おもちゃで遊んでも、何をしても気に入らないようで、のけぞって泣き続ける姿は、まさに「不機嫌病」そのものでした。発疹は翌日には顔や手足にも広がり、見た目も痛々しくなりましたが、本人は痒がる様子はなく、ただひたすらに機嫌が悪い。私は食事を摂る暇もなく、一日中息子を抱きかかえ、スクワットをしながらあやし続ける日々が三日間続きました。この時期の精神的な疲弊は、高熱の時の不安とはまた別の、出口の見えないトンネルにいるような感覚でした。しかし、発疹が薄くなり始めた四日目、息子が突然、以前のような屈託のない笑顔を見せてくれたのです。あの瞬間の救われたような気持ちは、一生忘れることができません。突発性湿疹は、熱が下がってからが本番だという先輩ママたちの言葉を、身を以て痛感した一週間でした。発疹が完全に消える頃には、息子はお座りが少し安定し、心なしか成長したように見えました。あんなに酷かった不機嫌も、今となっては笑い話ですが、当時は本気で途方に暮れていました。これからこの病気を経験するお母さんたちには、不機嫌期は必ず終わること、そしてそれは赤ちゃんが一生懸命に回復しようとしている証拠なのだと、エールを送りたいと思います。