胃に優しい夏野菜と効果を最大化する食べ方の極意
夏はきゅうりやトマト、ナスといった瑞々しい野菜が旬を迎えますが、これらは体を冷やす性質を持つため、夏バテで胃が弱っている時には注意が必要です。しかし、中には弱った胃腸の働きを助け、回復を促してくれる心強い夏野菜も存在します。それらを効果的に食事に取り入れることで、つらい症状を乗り越える手助けになります。まず筆頭に挙げたいのが、キャベツです。キャベツに含まれるビタミンUは、別名「キャベジン」とも呼ばれ、荒れた胃の粘膜の修復を促進し、胃酸の過剰な分泌を抑える働きがあることで知られています。胃痛には非常に効果的ですが、このビタミンUは水溶性で熱に弱いため、調理法に工夫が必要です。理想は生のまま千切りにして食べることですが、胃が弱っている時はそれも負担になりかねません。そこでおすすめなのが、ポトフやロールキャベツのように、スープごといただく調理法です。煮汁に溶け出した栄養素も丸ごと摂取できます。次に、大根も胃の強い味方です。特に大根の根の部分には、デンプンを分解する消化酵素「アミラーゼ」が豊富に含まれています。これも熱に弱いため、大根おろしにして、おかゆやうどんに添えるのが最適です。辛みが胃を刺激すると感じる場合は、加熱して柔らかく煮物にすると良いでしょう。そして、夏野菜のネバネバパワーも活用しない手はありません。オクラやモロヘイヤ、つるむらさきなどに含まれるネバネバ成分「ムチン」は、糖タンパク質の一種で、胃の粘膜を潤し、保護するバリアのような役割を果たします。細かく刻んでスープや和え物にするのがおすすめです。これらの胃に優しい野菜を選ぶと共に、香辛料や油を極力使わず、素材の味を活かしたシンプルな調理法を心がけることが、効果を最大化する鍵となります。