ある日、恋人のまぶたが赤く腫れているのを見つけ、話を聞くと「めばちこができたみたい」とのこと。心配する気持ちと同時に、「もしかして、私からうつった?」「あるいは、私にうつる?」といった不安が、頭をよぎるかもしれません。特に、スキンシップを大切にしたいカップルにとって、これはデリケートな問題です。まず、最も大切なことをお伝えします。めばちこ(麦粒腫)は、風邪やインフルエンザのように、空気や飛沫を介して、人から人へ簡単にうつる病気ではありません。その原因は、相手の体にもともといる常在菌によるものです。ですから、あなたが原因で彼がめばちこになったわけではありませんし、彼と一緒にいることで、あなたがめばちこになるリスクも、基本的には非常に低いと言えます。キスをしたり、同じ部屋で過ごしたり、隣で寝たりすることに、過度に神経質になる必要はありません。しかし、可能性がゼロではない、ごく稀な感染経路も存在します。それは、彼の患部、特に膿などに触れた手で、自分の目をこすってしまうといった「直接的な接触」です。そのため、お互いの安心のために、いくつかの小さな配慮をしておくと良いでしょう。例えば、彼が使ったタオルと、あなたのタオルは、症状が治まるまでの間は、別々に使うようにします。枕カバーも、こまめに洗濯すると、より清潔を保てます。そして、彼自身には、「目を触ったら、すぐに手を洗ってね」と、優しく伝えてあげましょう。これは、あなたへの感染を防ぐというより、彼が反対側の目に菌を広げてしまう「自家感染」を防ぐ上で、とても重要です。また、パートナーとしてできる、もっと大切なサポートがあります。それは、彼の「免疫力」を高める手助けをしてあげることです。めばちこは、疲れやストレスが溜まっている時にできやすくなります。彼の好きな、栄養バランスの取れた食事を作ってあげたり、「今日は早く寝ようね」と、ゆっくり休める環境を整えてあげたり。彼の心と体の疲れを癒してあげることが、何よりの治療のサポートになります。「うつるかも」と彼を避けるのではなく、「疲れているんだね、大丈夫だよ」と、彼の体調を気遣い、寄り添う姿勢を見せること。それが、二人の信頼関係をさらに深め、彼の早い回復へと繋がる、最高の愛情表現となるはずです。