多くの人を悩ませる「めばちこ(麦粒腫)」。その直接的な原因は、黄色ブドウ球菌などの細菌感染ですが、その感染を引き起こす「きっかけ」は、私たちの何気ない日常の習慣の中に潜んでいます。体の免疫力が低下している時に、これらのNG行動が重なると、めばちこの発症リスクは格段に高まります。自分の生活習慣を見直し、めばちこを寄せ付けないためのポイントを知っておきましょう。最も代表的なNG行動が、「汚れた手で目をこする」ことです。私たちの手には、目に見えない無数の細菌が付着しています。特に、スマートフォンやドアノブ、電車のつり革などに触れた後、無意識のうちに目をこすってしまうと、手に付着した細菌を、まぶたの分泌腺に直接塗り込んでいるようなものです。目にかゆみや違和感がある時も、直接手で触れるのは避け、清潔なティッシュやハンカチを使うようにしましょう。そして、基本中の基本ですが、こまめな手洗いを徹底することが、最大の予防策となります。次に、女性に特に注意してほしいのが「アイメイクの扱い」です。アイシャドウやアイライナー、マスカラといった化粧品や、それらを使うブラシやチップは、雑菌が繁殖しやすい温床です。古い化粧品を使い続けたり、汚れたブラシをそのまま使用したりすると、メイクのたびにまぶたに細菌を塗りつけていることになります。また、メイクをしっかりと落とさずに寝てしまう「メイク残り」は、皮脂腺やマイボーム腺を詰まらせ、細菌が繁殖する絶好の環境を作り出してしまいます。クレンジングは、目元専用のリムーバーを使うなどして、丁寧に行いましょう。コンタクトレンズの不適切な使用も、大きなリスクファクターです。洗浄が不十分なレンズや、使用期限を過ぎたレンズの使用、レンズをつけたまま寝てしまうといった行為は、目に細菌を持ち込むだけでなく、角膜に傷をつけ、感染症のリスクを高めます。レンズのケアは、正しい方法で毎日欠かさず行いましょう。さらに、これらの行動に加えて、「ストレスや疲労、睡眠不足」が重なると、体の免疫力が低下し、普段なら抑え込めるはずの細菌の増殖を許してしまいます。めばちこは、体が発する「少し休んで」というサインでもあるのです。日々の衛生管理と、健やかな生活習慣。この二つが、めばもこを遠ざけるための両輪となります。