医療問題・社会課題に対する解決策を探る

2025年9月
  • 職場でできるものもらい予防術

    生活

    職場で長時間パソコン作業をする人や、不特定多数の人と接する機会が多い人は、ものもらいのリスクが高まる可能性があります。オフィス環境での予防策をいくつかご紹介します。まず、パソコン作業中は、意識的に瞬きの回数を増やし、目の乾燥を防ぐようにしましょう。目が乾燥すると、外部からの刺激に弱くなり、感染症のリスクが高まります。また、定期的に休憩をとり、遠くを眺めたり、軽く目を閉じたりして、目の疲れを癒すことも重要です。休憩中に手を洗い、清潔な状態で目を休めるようにしてください。共有のPCや電話などを使用する際は、使用前後にアルコール消毒シートなどで拭く習慣をつけるのも良いでしょう。特に、複数人で共有するデスクや備品は、様々な人の手が触れるため、細菌が付着している可能性があります。そして、職場のストレスを溜め込まない工夫も大切です。ストレスは免疫力を低下させ、ものもらいだけでなく、様々な体の不調の原因となります。適度な運動や趣味の時間を取り入れ、リフレッシュする時間を意識的に作るようにしてください。また、オフィスでの乾燥対策も有効です。加湿器を使用したり、こまめに水分補給をしたりして、空気の乾燥を防ぎましょう。乾燥した環境は、目の表面のバリア機能を低下させ、感染症にかかりやすくします。子供の場合は、睡眠時間を十分に確保し、バランスの取れた食事を与えることも重要です。健康的な生活は、子供の免疫力を高め、様々な病気から体を守る基盤となります。もし子供がものもらいになってしまったら、自己判断で市販薬を使用したりせず、小児眼科を受診して、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

  • ハイヒールが引き起こす中足骨骨頭痛という悲鳴

    医療

    多くの女性にとって、ハイヒールはファッションを完成させ、自信を纏うための特別なアイテムです。すらりと伸びた脚線美を演出し、背筋が伸びるような高揚感を与えてくれます。しかし、その華やかな魅力の裏側で、私たちの足は想像を絶するほどの負担に耐え、静かな悲鳴を上げていることを知らなくてはなりません。ハイヒールを日常的に履き続けることで引き起こされる数々の足のトラブルの中でも、特に「足の裏の骨が痛い」という症状で代表的なのが、「中足骨骨頭痛(ちゅうそくこつこっとうつう)」です。これは、足の指の付け根にある5本の中足骨の先端部分、特に人差し指と中指の下あたりに過剰な圧力が集中し、痛みや炎症を引き起こす状態を指します。本来、私たちの足は、かかと、親指の付け根、小指の付け根の3点で支えられ、縦と横のアーチ構造によって、体重を巧みに分散させる免震装置のような役割を果たしています。しかし、爪先立ちを強制するハイヒールを履くと、この絶妙なバランスは完全に崩壊します。体重の実に7割以上が、狭い足の前方部分に容赦なくのしかかるのです。その結果、中足骨の骨頭部が地面に強く押し付けられ、周辺の神経や関節包が炎症を起こし、歩くたびに「熱い石ころを踏んでいるような」「焼けるようにジンジンする」といった、耐え難い痛みが生じます。この状態が慢性化すると、体は自らを守るためにその部分の皮膚を厚く硬くし、「胼胝(たこ)」を形成しますが、この胼胝がクッションの役割を果たすどころか、さらに神経を圧迫して痛みを増悪させるという、まさに負のスパイラルに陥ってしまうのです。外反母趾や内反小趾、ハンマートゥ(指がZ字型に曲がる変形)といった他の足の変形を併発することも少なくありません。予防と改善の第一歩は、言うまでもなく、原因であるハイヒールの使用頻度と時間を減らすことです。そして、足の指を一本ずつ開いたり閉じたりする運動で足裏の筋肉を鍛え、中足骨骨頭部にかかる圧力を分散させるための専用パッドやインソールを活用することが有効です。美しさの代償として、取り返しのつかないほどの痛みを足に強いることのないよう、賢明な選択が求められます。

  • 我が子の水疱瘡の跡を防いだ母親の奮闘記

    生活

    娘が保育園から水疱瘡をもらってきたのは、夏の暑い日でした。みるみるうちに全身に広がる赤い発疹と水ぶくれ、そして高熱。何よりも可哀想だったのは、四六時中「かゆい、かゆい」と泣きながら体を掻きむしろうとする娘の姿でした。私自身の顔にも、子どもの頃に掻き壊した水疱瘡の跡がうっすらと残っています。この子にだけは同じ思いをさせたくない。その一心で、私の奮闘が始まりました。まず徹底したのは、爪を極限まで短く切り、角をやすりで丸くすることです。そして、小児科で処方されたカチリ(フェノール・亜鉛華リニメント)と抗ヒスタミン薬の飲み薬を、時間をきっちり守って使用しました。特にカチリは、塗ることで痒みを和らげ、水ぶくれを乾燥させる効果があります。娘が嫌がらないように「魔法のお薬だよ」と声をかけながら、一つ一つの発疹に丁寧に塗布しました。日中は、肌触りの良い綿素材のゆったりとした服を着せ、汗をかいたらすぐにシャワーで流して清潔を保ちました。シャワーの際は、石鹸をよく泡立てて手で優しく洗い、ゴシゴシと擦らないように細心の注意を払いました。一番大変だったのは、眠っている間の無意識の引っ掻きです。夜中に何度も目を覚まし、娘の手が体に向かっていないかチェックし、そっと手を握ってあげました。痒みで眠りが浅い娘のために、部屋を涼しく保ち、アイスノンで体を冷やしてあげることもありました。全ての水ぶくれがかさぶたになり、それが自然に剥がれ落ちるまでの約二週間は、まさに戦争のようでした。しかし、その甲斐あって、娘の肌には一つも跡が残ることはありませんでした。あの時の苦労は、娘のすべすべの肌を見るたびに、母親としての勲章のように、誇らしい記憶として蘇るのです。

  • 足の裏の痛みで整形外科を受診した際の全プロセス

    医療

    続く足の裏の痛み。自己流のケアでは改善の兆しが見えず、いよいよ専門医の診断を仰ごうと決心したものの、整形外科で一体どのような診察や検査が行われるのか、不安を感じる方も少なくないでしょう。ここでは、実際に整形外科を受診した際の一般的な流れを、ステップごとに詳しく解説していきます。まず、病院に到着して受付を済ませると、問診票の記入を求められます。この問診票は、医師があなたの状態を把握するための最初の、そして最も重要な情報源です。ただ「足の裏が痛い」と書くだけでなく、「いつから痛むのか」「朝起きて最初の一歩が最も痛い」「長時間座った後に痛む」など、痛みの特徴をできるだけ具体的に記述しましょう。どのような靴を普段履いているか、スポーツ歴なども大切な情報です。診察室に呼ばれると、医師が問診票を元に、さらに詳細な質問をします。その後、実際に足の状態を診る身体診察に移ります。医師はまず目で見て、腫れや赤み、皮膚の状態、足の形(外反母趾や偏平足の有無)などを確認する「視診」を行います。次に、痛みの中心と思われる場所を指で押し、痛みの程度や正確な位置を確認する「触診」が行われます。この時、少し痛くても我慢せず、正直に医師に伝えましょう。さらに、足首や足の指を動かして、関節の動きや痛みの再現性を確認します。この段階で、医師は足底腱膜炎や中足骨骨頭痛など、いくつかの可能性を念頭に置きますが、診断を確定し、他の病気との鑑別を行うために画像検査へと進みます。基本となるのは「レントゲン(X線)検査」です。これにより、骨折や骨の変形、あるいは足底腱膜炎の際によく見られる「骨棘(こつきょく)」という骨のトゲの有無などを確認します。レントゲンで異常がない場合でも、腱や靭帯の状態をより詳しく調べるために、「超音波(エコー)検査」が追加されることもあります。エコー検査では、足底腱膜が炎症によって厚くなっている様子などをリアルタイムで観察できます。これらの結果を総合的に判断して最終的な診断が下され、それに基づいた治療計画(薬物療法、注射、リハビリテーション、インソール作成など)が提示されます。安心して治療に臨むためにも、分からないことはその場で質問し、納得のいく説明を受けることが大切です。